開発ディレクター Q&A

July 3, 2020

この Q&A セッションは 6 月 22 日に開催され、World of Warships: Legends』の開発ディレクターである Kirill Peskov が質問に答えました。この記事は RowanHKC による文字起こしに基づいており、分かりやすくするための多少の変更が加えられています。

Q: Microsoft と Sony が次世代コンソールに関する発表を行いました。これに関してどのような計画がありますか?

A: 新世代コンソールへの対応を予定していますす。そのための準備を数ヶ月前から始めています。これには多くの作業が必要となりますが、両方のプラットフォームでゲームがプレイ可能となる予定です。

まず、ゲームを次世代コンソールに移植して、問題なく動作すること、およびプレイヤーの皆様が安全にアカウントを移行できることを確認します。その後で、ハードウェアのポテンシャルを活用して、グラフィックへの様々な改善を導入していきたいと考えています。

Q: 新型コロナウィルスはゲームの開発に影響を与えましたか?

A: 開発プロセスに大きな遅延をもたらすことになりました。まず、在宅勤務の導入と調整が実施されました。現場での直接的なコミュニケーションが難しくなったため、ほぼ全てのことにより時間がかかるようになりました。バージョン 2.3 はチーム全員が在宅勤務を行ってリリースされたものです。簡単なことではありませんでしたが、上手く適応できたと思います。これからも引き続き、5 週間ごとに新しいアップデートを実装する予定ですので、新しいコンテンツをご期待頂けます。ただし、アップデートの内容に関しては多少の調整を行う必要が生じるかもしれません。

Q: 航空母艦と潜水艦の現在の状況はどのようなものですか?

A: 潜水艦の開発に関しては注視していますが、こちらが先にゲームに実装されることはありません。航空母艦に関しては、実装を予定しており、潜水艦より先に登場することになるでしょう。まもなく、作業が開始されるはずです。完全実装する前に、「大和」イベントと似た形で 1 回以上のテストイベントを開催する予定ですが、日程に関してはまだ決まっておらず、恐らく数バージョン先のことになると思われます。

Q: オペレーションや PvE のゲームモードに関する計画はありますか?

A: 今年、および来年前半においては、イベントを除けば、このようなモードに関する計画はありません。PvE ゲームモードのイベントが開催される可能性はあります!

Q: 「中央攻略戦」や「軍拡競争」といった追加の PvP シナリオに関する計画がありますか?

A: 「中央攻略戦」と「軍拡競争」の両方、さらにランク戦の異なるシナリオがバックログ内にあります。これは、いずれ実装されることを意味します。できるだけ早く、実装したいと考えていますが、現状では日程については何とも言えません。

1 対 1 または 3 対 3 のランク戦も是非やってみたいと考えていますが、現時点では Tier VII ランク戦の作業を優先する予定です。ただし、そのためにはより多くのプレイヤーが Tier VII 艦艇を所持している必要があります。もう少し時間がかかるかもしれません。「軍拡競争」の実装はかなり現実的なものですが、そのための作業を開始する必要があります。

Q: バックログとは何ですか?

A: バックログは大規模な「To-Do」リストのようなものです。今後実装したいと考えている全てのアイディア、問題、機能がこのリストに入れられます。

Q: PlayStation でいつ 4K がサポートされるようになりますか?

A: 技術チームが次世代コンソールに関する作業を行えるようにするため、この機能は延期されました。次世代コンソールに関して満足できる状況になれば、PS4 におけるこの機能の作業が再開される可能性があります。

Q: 装甲ビューア実装の予定がありますか?

A: はい。

Q: より詳細な情報が表示される戦闘後の結果画面を期待できますか?

A: はい。

Q: リプレイ機能は?

A: 実装される可能性はかなり高いと思います。

Q: 詳細な艦艇に関する統計情報 (プロフィール統計) は?

A: はい。

Q: クイックコマンドパネルへのオプション追加やマップに印を付ける機能などは?

A: クイックコマンドパネルの最初の見直しが、次のアップデートで実装されます。これにはいくつかの新しいコマンドとスパム対策用のフィルター、ミュート機能などが含まれます。戦術マップでセクター警報を出せる機能もあと数バージョン以内に追加される予定です。

Q: 艦艇の出撃地点 (開始地点) の改善や変更についての計画がありますか?

A: データの確認は入念に行われていますので、間違いなく検討され、その後で実施される可能性はあります。ただし、すぐに行われることはありません。

Q: 艦艇の警笛は?

A: 7 月の終わりに実装されます!警笛のトリガーは新しいクイックコマンドのパネルに追加されます。

Q: 近い将来に副砲の改善が計画されていますか?

A: はい!最も簡単な方法は副砲の手動操作用のボタンを実装することですが、これの問題は全てのプレイヤーが簡単に使用できるボタンがコントローラーにあるかということです (2 回押しや複数のボタンの同時押しを除いた場合です)。最初の改善は、開発チームによって現在デザインが行われており、今年の終わりに実装する予定です。それからデータを収集し、その後の展望が決定されます。皆様の声は届いており、改善を行っていますので、ご期待ください。

Q: 開発局について、および開発局に関するコミュニティの反応についてどう思いますか?

A: これは艦艇や無期限迷彩を含むあらゆるタイプのコンテンツをお届けできる新しいシステムです。コミュニティの反応はまずまずだったと思いますが、まずはプレイヤーの皆様がいくつかのプロジェクトを完了するのを待ち、開発局の実際の使用感やパフォーマンスが期待に沿えたものであったかを確認することになります。

Q: 今年中により迅速なブースター変換システムが実装されますか?

A: 現在、QA テストの実施中ですので、8 月か 9 月、さほど遠くない未来に実装されるはずです。実は、これは他の要素とも繋がっているのですが、これについてはまだ発表できません。

Q: 155 mm 砲を搭載した「最上」が使えるようになりますか?

A: この換装オプションは間違いなく追加されます。将来のキャンペーンになるかもしれません。別個の艦艇として実装されることになるでしょう。

Q: 台風やサイクロンのようなゲームプレイに変化を加える天候は追加されますか?夜のマップはどうですか?

「トライデント」、「大西洋」、「罠」マップには夕暮れのバージョンがあります。また、他のバージョンも追加する予定です。現状では、天候に関する計画はありません。

Q: 将来的にチュートリアルを実装する予定がありますか?

A: 優れたチュートリアルは、開発の視点において非常に大きなコストがかかります。PC 版のチュートリアルが使えていたなら、大分前にチュートリアルを実装することになっていたでしょうが、優れたチュートリアルを一から作成することは、巨大なリソースと労力が必要となります。そのため、現在、ある程度コストを抑えた作成方法について検討中です。例えば、動画を使用するとか、動画をゲーム内のチュートリアルと組み合わせることなどです。しかし、現状では、『Legends』にコストを抑えつつ、優れたチュートリアルを実装する手段はありません。申し訳ありません!

また、チュートリアルに関しては、他の Wargaming のゲームタイトルでも多くの調査が実施されており、チュートリアルはそれほど大きな効果がないと示唆されています。これはプレイヤーがゲームを楽しんでいる場合、ゲームのコミュニティチャンネルなどでプレイ方法を研究することが多く、楽しんでいない場合、チュートリアルによってゲームのプレイを続行することは少ないということです。

Q: Playstation と Xbox のクロスプレイの作業に関して最も大きな挑戦は何でしたか?

A: なんと言っても、ノウハウがなかったことですね。共有できるロードマップがなかったため、多くの学習が必要でした。Microsoft と Sony はそれぞれ独自の方針を有しており、その全てが明確というわけではなかったため、両方のプラットフォームに多くの質問を行い、多くのコミュニケーションが発生しました。そのため、文字通り全ての作業段階において、プラットフォームに問い合わせ、どのような形で何が実装できるかを検討しなければなりませんでした。導入の詳細に同意することだけでおよそ 3 ヶ月を費やしたのです。技術的なソリューション自体はそれほど複雑なものではありませんでした。複雑な部分はその先にあり、クロスプラットフォームのフレンドリストやクロスプラットフォームの分艦隊といった要素です。これらに関しては未だに判断が難しく、まだ日程などを決定することはできませんが、作業自体は行われています。

Q: これまでの 15 ヶ月間の『Legends』開発において、異なる形で行いたかったことは何ですか? それと『Legends』で最も見たい艦艇は?

A: 私はイギリス軽巡洋艦が大好きなので、「Minotaur」が『Legends』に実装される日をすごく楽しみにしています!最初の質問に関してですが、プロジェクトの全てのミスに責任を負う立場にあるものとして、これら全てを行わずにしたかったとは思いますが、それでもそれぞれのミスから多くを学べたと思っています。一方で、『World of Warships: Legends』はプレイヤーベース、評価、目標といった面においてかなりよくやっているため、過去を振り返ってみた時、具体的に一つ挙げるのは難しいですね。この状況を維持しつつ、必要に応じて修正を行っていきたいと思っています。

Q: クラン要素について何かありますか?

A: クラン要素に関してはまだ作業していませんが、まもなく開始する予定です。現在、導入における最高の状況について議論を行っており、数ヶ月後にプロトタイプの作業に入ることになるでしょう。まとめるなら、クランは優先順位の高い、いずれ実装される要素であり、開発もまもなく始まりますが、日程などに関してはまだ発表できる状況にありません。

Q: クイックコマンドのログ / チャットボックスの導入予定がありますか?

A: 上で少し触れたように、7 月に実装されます。コマンドをログとして維持するメッセージボックスが追加されます。

Q: 味方艦艇によって使用された消耗品を表示する機能の計画はありますか?例えば、横にいる艦艇がレーダーを使ったことを表示するアイコンなどです。

A: 今のところ予定していません。画面を UI 要素でわかりづらくすることは避けたいため、今のところは戦闘ログを導入し、これがどのように機能するかを見極める予定です。

Q: 将来的にサブブランチが実装される可能性がありますか?例えば、副砲重視のアメリカ艦艇のサブブランチやドイツの巡洋戦艦といったものです。また、PC 版にないものが追加される可能性はありますか?

もちろん様々なサブブランチが追加されていきますが、引き続き PC チームのコンテンツを使用することになります。『Legends』のチームはそれほど規模が大きくないため、艦艇の再編成や再調整を行うことは可能ですが、PC 版のコンテンツを使用しないと、開発コストが非常に高くなる上に、開発速度も著しく低下してしまうことになります。また、サブブランチは実装されますが、日程などに関してはまだ何とも言えません。当然のことですが、アメリカ軽巡洋艦が最初のサブツリーとなりました。

Q: 今年の予定に関して、まだ発表されていないことで発表できることがありますか?今年中に新しい国家が追加されますか?

A: はい!新しい国家が 1 つ、新しいサブブランチが 1 つ、そして既存の国家の艦艇タイプの完全なブランチを実装予定です。お楽しみに!

Q: トレーニングルームの実装はありますか?

A: より競争の激しいモードの実装が近づけば、トレーニングルームも追加する予定です。

Q: 「Des Moines」はいずれ登場しますか?

A: それに関しては何も言えません。複数のレジェンダリー艦艇の登場が予定されていますが、まだ発表できる段階ではありません。レジェンダリー駆逐艦の登場が近づいているのでなおさらです。これは秘密を維持するためというよりは、開発局のプロジェクトがコミュニティによってどう消費されるかを理解するためのものです。新しいレジェンダリー艦艇を 2 回のアップデートのうち 1 回で実装することは可能ですが、コミュニティはこの頻度に対応できるでしょうか?それが大きな問題というわけです。開発局を作ったら、プロジェクトが 10 個もあるという状況は多少フラストレーションを感じるのではないかと思えます。選択肢が多すぎるという状況ですね。

Q: 艦長の現状と開発状況についてどう思いますか? 将来的に調整や変更を行う予定ですか?

A: 優れた要素だと思っています。この要素についての我々のビジョンをほぼ実現しています。また、開発局における開発者など、艦長の他の使い方についても検討中です。ただし、いくつか解決すべき点はあります。その一つはレジェンダリースキルです。レジェンダリースキルは、さほど「レジェンダリー」なものではなく、十分に魅力的なものではないと見なされているため、これについての作業を行っています。約束はできませんが、我々の予想では、今年中に調整が行えるかもしれません。その後で、これがプレイヤーにどう評価され、使用されるかを分析します。他にもいくつか計画がありますが、まずはレジェンダリースキルの再調整のデータ収集が必要となります。これはとても興味深く、影響力の大きい要素です。この要素の最適な活用方法と、非常に強力なスキルや特性を導入しつつバランスを維持する方法を検討しなければなりません。それと近い将来に 3 つ目のインスピレーションスロットが導入されることはありません。